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ワンちゃんの予防



フィラリア予防

フィラリア症とは、蚊がワンちゃんを吸血することによって心臓にフィラリアという細長い虫が侵入、寄生する恐ろしい病気です。進行すると重篤な心臓病の症状を引き起こし、亡くなってしまうこともあります。また、一度かかってしまうと治療が困難になってしまう場合もあります。近年温暖化の影響により昔に比べて蚊の活動期間が長くなっているため、感染しないように予防していくことが大切になってきます。
基本的には予防シーズン前にフィラリアの感染の有無を1年に1度血液検査で確認したうえで予防薬を処方しております。万が一フィラリアに感染している場合に予防薬を与えてしまうと副作用がおきてしまう可能性があるためです。
予防薬には様々な種類があります。1か月に1回内服するものをおすすめしております。ご相談によってワンちゃんに合うものを決めさせていただきます。

混合ワクチン予防接種

ワクチン接種の目的は、「ワンちゃんの命に危険を及ぼす可能性のあるさまざまな感染症を防ぐこと」です。またレプトスピラ感染症はワンちゃんだけでなく人にもうつる病気です。お散歩中に感染してしまうことも珍しくありません。浜松市でも感染してしまったワンちゃんがいるため接種することをおすすめしています。
子犬の時期はお母さんからもらった免疫(移行抗体)により感染症から守られていますが、生後2か月以降にこの効果がなくなる時期を見計らってワクチンを接種することが大切です。基本的には当院では、子犬期に2~3回予防接種を行い、その後は毎年1回の接種を推奨しています。ワクチンの種類や投与間隔はその子の生活スタイルや持病により、飼い主様とご相談しながら一緒に決めていきたいと思います。

混合ワクチンの種類について

当院では基本的に5種、7種、10種を取り扱っております。
ワンちゃんの生活環境に合わせて飼主様とご相談して決めていきます。また必要に応じてレプトスピラの追加接種も行っております。

予防できる感染症の種類 5種 7種 10種
犬パルボウィルス感染症
犬ジステンパー
犬伝染性肝炎(アデノウィルス1型)
犬伝染性喉頭気管炎(アデノウィルス2型)
犬パラインフルエンザウィルス感染症
犬レプトスピラ病(カニコーラ型)
犬レプトスピラ病(イクテロヘモラジー型)
犬レプトスピラ病(グリッポチフォーサ型)
犬レプトスピラ病(ポモナ型)
犬コロナウィルス感染症
Q. 混合ワクチンを接種後に注意することは?どんな副作用がありますか?
ワクチンの接種後にアレルギー反応がおきる場合がまれにあります。接種後、数分~数時間であらわれる場合もあれば半日たってから起きる場合もあるので、接種後はしっかりと様子をみてあげてください。いつもと様子が違う、以下のような症状が認められる場合には速やかにご連絡ください。
症状
・顔面腫脹(特に眼や口の周り)
・注射部位の痛み
・嘔吐、下痢
・元気、食欲がない
Q. 混合ワクチンは狂犬病ワクチンと同時に接種できますか?
当院では行っていません。ワクチンの説明書に他のワクチンとの同時投与は避けることとの記載があり、安全性が確認されていませんので副作用が起きる可能性があります。狂犬病ワクチンのあとは1週間以上あけて、混合ワクチンの場合は1か月以上あけて他のワクチンを投与することをおすすめします。

狂犬病予防接種

狂犬病予防注射は法律で91日齢以上のワンちゃんは毎年1回の予防接種が定められています。
昭和32年以降、日本での犬の感染は確認されていませんが、発症すれば人もワンちゃんもほぼ100%死亡してしまう恐ろしい病気です。日本への狂犬病の侵入・拡散を防ぐためにも1年に1回の予防接種を行っていきましょう。しかし、持病がある、アレルギー反応を示すワンちゃんはご相談ください。
狂犬病ワクチンをご希望される場合は市(区)から届くハガキをお持ちください。
(初めて狂犬病ワクチンを受ける場合は次回より発行されます。)


また、ワクチン接種後は混合ワクチンと同じようにアレルギーが出る可能性があるので、接種した後はワンちゃんの様子をみててあげてください。
その他ご不明な点がございましたらお気軽に当院までお問い合わせください

ノミ・マダニ予防

ノミやマダニは体の表面に寄生する小さな寄生虫です。散歩で行く公園や草むらから寄生してしまうことが多いです。家の中に入ってしまうと動物の体以外に室内のソファやカーペット、ベッドにも産卵して繁殖してしまいます。一度家の中で繁殖してしまうと退治するのがとても大変です。
またノミやマダニから引き起こされる病気もあります。中には人に感染するものもあるので注意が必要です。
予防薬には内服もしくは背中に滴下するタイプがありますが、温暖化の影響もあり、年中発生する可能性があるので一年中予防していただくことをおすすめします。

ノミが引き起こす病気

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミに吸血される時にノミの唾液が体に入り、アレルギー反応を引き起こして激しい痒みを引き起こします。1匹に吸血されるだけでも起きてしまうことがあるため注意が必要です。

瓜実条虫

瓜実条虫を持っているノミを、体を舐めたりしたときに食べて感染してしまうことが多いです。症状として下痢、嘔吐、食欲不振が認められます。人が感染した場合は腹痛や下痢の症状が認められ、特に子供が感染してしまう場合が多いので注意が必要です。

ノミ刺咬症(人にも感染する病気)

人もノミに咬まれるとアレルギー反応により、激しい痒み、皮膚炎を引き起こします。

マダニが引き起こす病気

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)(人にも感染する病気)

ウイルスを持っているマダニに吸血されることにより人に感染します。猫や犬が感染した場合には発熱、嘔吐、血小板減少、白血球減少が起きます。そして人が感染した場合には発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を起こし、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う場合もあります。致死率は10~30%程度と言われ、危険な感染症です。

犬バベシア症

ワンちゃんがバベシア原虫という病原体を持ったマダニに吸血されることで感染します。犬の赤血球に寄生することによって赤血球が壊され、貧血や発熱、食欲不振などの症状が起きます。治療が遅れると死に至る場合もある恐ろしい容器です。